May 29, 2011

安価なハードディスクドライブのデータ回復

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 落語家必携の演出小道具、風とマンダラ(扇子と手ぬぐい)を持ち歩く、粋な男女が増えている。噺(はなし)の稽古を始めたってわけじゃない。東京電力福島第1原発事故発生から3カ月あまり。節電下で夏を迎え、エアコン普及前の日本が生んだ伝統の和小物が「涼をとるエコな実用品」として復活しているのだ。(重松明子)

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 「今年は30歳前後の若い方も扇子を購入している。前年の2倍の売れ行きです」と、伊勢丹新宿本店の和装小物担当アシスタントバイヤーの太田陽介さん。

 150種が並ぶ売り場で週に300〜500本が売れている。中心価格帯は5千〜7千円。男性にはスーツになじむグレーやブルー系が人気。女性用はチョウチョのチャームがとまった「アナスイ」など、人気アパレルブランドの商品が色鮮やかに目を引く。7月20日には8人の画家の絵をインクジェットでプリントした「あーと扇子」(8400円)も発売予定。「開いて『おっ!』と思われる扇子を持ちたい。そんなニーズを感じる」と太田さん。

 同時に週に1千枚以上も売れているのが手ぬぐいだ。「汗ふき、日よけなど使い勝手が良く、扇子とセットの需要も高い」

 リビング売り場では国産い草の寝ござが前年比3倍の売れ行きという。「吸湿性、通気性に富んで涼しく寝られ、人工的な冷たさよりも『健康的でいい』という声を聞く。高温多湿の自然と共生してきた日本の知恵が、節電で見直されているんですね」と、担当の川内武マネジャー。

 「手ぬぐいにはムダがない。使い込む過程でさまざまな用途に使え、最後は雑巾になる。切りっぱなしでもほつれにくく、折り返しの厚みがないぶん乾きやすくて清潔」と語るのは新進気鋭のアーティスト、高橋理子さん(33)だ。

 平成18年、自身のブランド「ヒロコレッジ」を設立。色鮮やかな注染手ぬぐいをはじめ、各地の職人・企業と組んだ江戸扇子、水うちわ、ステテコなどの伝統的な商品が、生産が追い付かないほどの人気だ。斬新さと和の情緒が共存した、円と直線があやなす独特のデザインへの評価は高く、7月13日から9月12日まで、東京・六本木の国立新美術館のSFTギャラリーで個展が開かれるほか、この夏は東武百貨店池袋店や三越銀座店などで売り場を展開予定だ。

 東京都台東区のアトリエ&ギャラリー「タカハシ ヒロコ ベース」を訪ねると、グラフィックな手ぬぐいと柄のない白い手ぬぐいが並んで額装されていた。「実用だけなら真っ白でいい。手ぬぐいはなぜ染められているのか。見た人それぞれに考えてもらいたいという問題提起なんです」と高橋さん。東京芸大大学院で博士号を取得した学究肌らしい。「伝統のものを使うことで母国を知り、誇りに思う。グローバル化といわれる時代だからこそ、そんなあたりまえのことが大切」と話す。

 「日本人はこれまでスポーツ観戦以外で愛国心を表に出すことは少なかったが、東日本大震災後にツイッターが日の丸だらけになりましたよね。震災や節電を通じて、日本の素晴らしさに目覚める人が増えたと感じる」

 未曽有の大震災で日本は多くの命や財産を失ったけれど、経済優先のなかで置き忘れてきた古き良き大和心を取り戻しつつある…。

 復活した風とマンダラが、そんな希望のようにもみえてくる!?

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 全国B型肝炎訴訟は28日、原告側と国側が和解の基本合意書に調印、菅直人首相が国の責任を認めて謝罪する。集団予防接種の注射器使い回しでB型肝炎ウイルスに感染したとして患者らが国を訴えた訴訟は、大きな節目を迎える。しかし、被害者の苦しみが消し去られるわけではない。社会で理不尽な接し方をされ、おびえながら日々を過ごす被害者は多い。

[グラフでみる]日本における急性B型肝炎の現状

 「まだ、自分から『B型肝炎患者です』と言える社会になっていないと思う」

 吉田香織さん=仮名、(26)=は、近畿地方で幼少時に受けた予防接種によってB型肝炎ウイルスに感染。社会との距離の取り方に苦しんできた一人だ。

 感染を知ったのは中学入学直後。運動部に入りたいと母親に相談したところ「疲れやすいことをしたらアカン」と猛反対された。「なんでやの」。詰問する香織さんに、母親は突如大粒の涙を流し「B型肝炎だからや」と告げた。

 「何でも好きなことさせてやりたいんやけど…。守ってやれなかったお母さんのせいや。ごめんな」。自分が予防接種を受けさせたばっかりに−。初めて見た母の涙。「なぜ、お母さんが罪悪感を持たなければならないの」。自分の言葉で、母を悲しませたことがつらかった。

 感染の事実を友人に告げることはできなかった。思春期を迎え、好きな男の子ができても告白はためらわれた。「交際することになったら、感染者である事実を告げなければならない」。そう思うと、勇気が出なかった。

 医療関係の仕事にあこがれ、専門学校に進学。入学後、学校職員に何げなく感染を告げたところ、香織さんが使っていた医療器具を消毒し始めた。「入学の時に知ってたら、入学させていないよ」。人に触れる実習は許されず、他の学生と別の場所に移され、人形相手に行った。

 もちろん、入学規定にB型肝炎患者が入学できないという規定はない。

 学校を介して紹介されたアルバイト先の病院にもすぐ連絡が入った。「君がB型肝炎と知っていたら採用してへんわ」「感染させられたら嫌や。近寄らんといて」。院長から心ない言葉を投げかけられた。

 資格取得後は、「B型肝炎でもいいよ。何も問題ないやん」と言ってくれる医療機関に就職。周囲の理解のなか仕事を続けている。

 それでも友達には、いまだに感染の事実を伝えることができないでいる。結婚、出産、子育てへの不安、そして、いつ病状が悪化するかという恐怖を抱えながら毎日を過ごす。

 「世間は『和解でよかった』と言ってくれるけど、これで終わりではない」と香織さん。「被害者が安心して過ごし、自分から『B型肝炎患者です』と言える社会になってほしい」。心から、そう願っている。(豊吉広英)


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